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アラン・M・デービス「成功する要求仕様 失敗する要求仕様」 [読書]

やっと読了。システム開発における要求定義や要件定義という、何を作るかを定義する作業に関する本である。そして、キーワードは「トリアージ」である。

多すぎる要求は納期を遅らせ、少なすぎる要求定義では、求めるシステムにほど遠い。うまく要求を調整しても、ユーザーのニーズに合っていなければ意味がない。----本書は、プロジェクトの予算、納期、ユーザーニーズに対して、「ちょうど十分な(just enough)」要求を見極めるための手法を紹介します。時間と人月のトレードオフのなかで、要求をどう優先順位をつけ、実現させていくのか。本書では、緊急時の治療の順番を決める「トリアージ」という医療用語を使い、ユーザーや関係者から要求に対し重み付けをはかる一方で、過去のプロジェクトでのリリース実現率を照らし合わせながら、実現する要求とリリースのタイミングの決め方を提示します。『ソフトウェア開発201の鉄則』の著者として知られるアラン・デービスが、10年ぶりに書き下ろした待望の新刊です。

スケジュールやコストに制限がある中で、「これがあるとよい」「こんなこともできたほうがよい」を詰め込みすぎて、システム開発プロジェクトは失敗することが多い。これをいかに防止するか、の方法として著者は、様々な方法での順位付けと選択方法を例示している。もちろんすべてを活用することは難しいと思うが、手として知っておくと良いかもしれない。

なお、他にもちょっと興味深いのは「要求仕様の書き方」についてシンプルに、
・箇条書きにする
・必要に応じてモデル図を補足として利用する
としている事。

最近の流れとしては「詳細までルールに基づきモデリングする」方向性と、「あまり文書化には力をいれずに、どんどん作る」の二極化しているのであるが、この中道という感じで、シンプルで良い。

なお、巻末におまけとして「クイックレシピ」がついている。読み終わった読者向けのTIPS集である。これがちょっとうれしい(ワルオ)。

成功する要求仕様 失敗する要求仕様
アラン・M・デービス 萩本 順三 安井 昌男 高嶋 優子
日経BP社 (2006/11/02)
売り上げランキング: 41020

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