天沢退二郎「光車よ、まわれ!」 [読書]
米光一成さんのBlogで拝見した本作。開いてみてめんくらった。ひ、ひらがなが多い・・・。
実は本作が児童文学であることを、まったく失念していたのであった。 しかし、中身はなかなかに子供向けとは思えない内容である。
はじまりは、ある雨の朝。登校した一郎は、周囲の様子がいつもと違うことに気づく。奇怪な事件が続出する中、神秘的な美少女・龍子らとともに、不思議な力を宿すという《光車》を探すことなるのだが——。
《光車》とは何か。一郎たちは「敵」に打ち勝つことができるのか。魂を強烈に揺さぶる不朽の名作が、装いも新たに、待望の文庫版で登場。
〈解説・三浦しをん〉
とりあえず読みながら感じたのは松本大洋さんのマンガ「鉄コン筋クリート」のイメージである。なんというか、大人の視点ではなく、もっと歪んだ子供の視点で描かれた物語はかなり新鮮(ちなみに1972年の作品なのだが)。なお、児童文学であれども、なんというかカラリとハッピーエンドになっているわけでもなく、暴力も死も登場する(さすがに性描写はないけど)。
というわけで、なかなかに新鮮な読書体験をしたのであった(ワルオ)。
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