大沢在昌「B・D・T 掟の街」 [読書]
新宿鮫シリーズなどで有名な大沢在昌さんのSFハードボイルド小説。SFといっても、移民政策に失敗し混血化が進んだ東京が舞台となっているだけで、大掛かりな仕掛けがあるわけではない。この舞台設定によって、日本の話であってもドラッグや銃がしっくりくる。表題のB・D・Tは「ボイルド・ダウン・タウン」の略であり、混血児が支配する関東東部を指す。
不法滞在外国人問題が深刻化する近未来東京。爆発的に急増した身寄りのない混血児たちは「ホープレス・チャイルド」と呼ばれ、その多くが犯罪者となってい た。彼らが巣食う東新宿はスラムと化し、いつしか、街は「B・D・T」と呼ばれた。無法地帯となった最も危険な街で、私立探偵ヨヨギ・ケンが依頼された仕 事は、失踪したホープレス出身の女性歌手の捜索—。女の足跡を追うケンを次々と襲うトラブル、そしてケンの目の前に、その巨大な組織が正体を現す!圧倒的 なスピード感で描く、傑作冒険アクション。
上記のアオリにある「圧倒的なスピード感」があるかどうかというと少し疑問があるが、それでもハリウッド映画のように大胆な展開があることは確かである。というわけで、なかなか良い作品だった。続編「影絵の騎士」も読んでみたい(ワルオ)
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