海堂尊「ジェネラル・ルージュの凱旋」 [読書]
映画化もされ、最近TVドラマにもなった「チーム・バチスタの栄光」シリーズ第三弾である。ちなみにドラマは観ていない。
もはや安心感のある面白さ。あいかわらず、うまいなぁという印象。
さて、これで三部作完結か・・・と安心していたらびっくり。なんと第四弾も出ているらしい。というわけで、また積読が増えるのであった(ワルオ)。
天沢退二郎「光車よ、まわれ!」 [読書]
米光一成さんのBlogで拝見した本作。開いてみてめんくらった。ひ、ひらがなが多い・・・。
実は本作が児童文学であることを、まったく失念していたのであった。 しかし、中身はなかなかに子供向けとは思えない内容である。
はじまりは、ある雨の朝。登校した一郎は、周囲の様子がいつもと違うことに気づく。奇怪な事件が続出する中、神秘的な美少女・龍子らとともに、不思議な力を宿すという《光車》を探すことなるのだが——。
《光車》とは何か。一郎たちは「敵」に打ち勝つことができるのか。魂を強烈に揺さぶる不朽の名作が、装いも新たに、待望の文庫版で登場。
〈解説・三浦しをん〉
とりあえず読みながら感じたのは松本大洋さんのマンガ「鉄コン筋クリート」のイメージである。なんというか、大人の視点ではなく、もっと歪んだ子供の視点で描かれた物語はかなり新鮮(ちなみに1972年の作品なのだが)。なお、児童文学であれども、なんというかカラリとハッピーエンドになっているわけでもなく、暴力も死も登場する(さすがに性描写はないけど)。
というわけで、なかなかに新鮮な読書体験をしたのであった(ワルオ)。
森友治「ダカフェ日記」 [読書]
タイミングの妙。
2007年の話題の写真集である(いろいろな雑誌でとりあげられていた)。というわけで市立図書館で予約していたのが、半年くらい経ってやっと手元に届いたのである。
そして、その間にうちには初めての赤ちゃんがやってきていた。
しあわせって、きっとこういうこと。
『日本ブログ大賞2006』写真大賞受賞。
1日3万アクセスの大人気ブログが写真集になりました!夫 婦ふたり、子供ふたりと犬いっぴき。どこにでもいそうな家族が繰り広げる日常の出来事を、父親ならではの愛情あふれる視点で切り取った楽しく美しい写真と ユーモアあふれる博多弁の文章、斬新なページデザインが話題を集め、現在では1日に3万アクセスを誇る大人気ブログ『ダカフェ日記』。
その数年に渡る写真日記を厳選セレクトして1冊にまとめました。
巻末には撮り下ろしページも収録。布製ハードカバーの装丁が部屋のインテリアにも馴染みます。
掲載されている写真は、ブログ「ダカフェ日記」 で見る事ができるので気になるかたは併せてどうぞ。でも見た事が無いのであればまず本書をパラパラとめくってから、ブログを読む方が楽しいかもしれない。「おおっ子供がでかくなっている」そんな楽しみ方が出来る。
我が家にもデジカメはあったのだが、これまではほとんど嫁が自分の(別の)ブログ更新用の写真を撮るばかりであった。しかし子供ができてからは違う。すごい早さで育っていく子供の時間を、とにかく切り取りたい(ビデオは趣味ではない)。
というわけで本書そのものも非常に楽しかったし、とても参考になった。
写真を撮ってる森さんはもちろんプロの写真家さんである。しかし、なんというか日常に切り取り方について非常に勉強になった気がする(ワルオ)。
茂木健一郎「思考の補助線」 [読書]
脳科学者の茂木健一郎さんのベストセラーな新書本である。しかし、購入した人々はこれをしっかりと読み解いているのだろうか・・・
思考のダンスというような文学・音楽・科学までの話の展開っぷりは知的で面白いのだが、自分の教養の無さも痛感する難解っぷりである。
ちょっと興味深いのが、何度も引用されているシェークスピアのテンペストである。 というわけで、これをきっかけに読んでみようと決意するのであった(ワルオ)。
アーサー・C・クラーク「渇きの海」 [読書]
8月頃に読んだエスクァイヤ日本語版の特集「SF再読」の影響で、引き続きアーサー・C・クラークさんの作品を読んでる。というわけで、これも非常に有名な作品である。
22人の男女を乗せて、観光船セレーネ号は、月の渇きの海を疾駆していた。細かい塵におおわれた、風も波もない月の海原やそびえたつ岩山に、乗客はみな感 嘆の声をあげる。だが、その船を突然の地殻変動が襲う。一瞬のうちに船は、塵の海のなかに沈んでしまった!ふたり乗りダストスキー以外に近寄るすべのない 塵の海に沈んだ船を、いかにして援助するのか?息づまる救助活動を迫真の筆致で描いた、巨匠の長篇。
さて、本作はまだ人類が月に実際に到達されるよりも前に書かれたものである。観測状、月には海のように滑らかな部分が見えるが、ここは細かい砂(レゴリス)が積もっているという仮説があったようである。その仮説に基づいたストーリーは宇宙版海洋小説という独特なおもむきを与えており面白い(ワルオ)。