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森友治「ダカフェ日記」 [読書]

タイミングの妙。
2007年の話題の写真集である(いろいろな雑誌でとりあげられていた)。というわけで市立図書館で予約していたのが、半年くらい経ってやっと手元に届いたのである。
そして、その間にうちには初めての赤ちゃんがやってきていた。

しあわせって、きっとこういうこと。

『日本ブログ大賞2006』写真大賞受賞。
1日3万アクセスの大人気ブログが写真集になりました!

夫 婦ふたり、子供ふたりと犬いっぴき。どこにでもいそうな家族が繰り広げる日常の出来事を、父親ならではの愛情あふれる視点で切り取った楽しく美しい写真と ユーモアあふれる博多弁の文章、斬新なページデザインが話題を集め、現在では1日に3万アクセスを誇る大人気ブログ『ダカフェ日記』。
その数年に渡る写真日記を厳選セレクトして1冊にまとめました。
巻末には撮り下ろしページも収録。布製ハードカバーの装丁が部屋のインテリアにも馴染みます。

掲載されている写真は、ブログ「ダカフェ日記」 で見る事ができるので気になるかたは併せてどうぞ。でも見た事が無いのであればまず本書をパラパラとめくってから、ブログを読む方が楽しいかもしれない。「おおっ子供がでかくなっている」そんな楽しみ方が出来る。

我が家にもデジカメはあったのだが、これまではほとんど嫁が自分の(別の)ブログ更新用の写真を撮るばかりであった。しかし子供ができてからは違う。すごい早さで育っていく子供の時間を、とにかく切り取りたい(ビデオは趣味ではない)。

というわけで本書そのものも非常に楽しかったし、とても参考になった。
写真を撮ってる森さんはもちろんプロの写真家さんである。しかし、なんというか日常に切り取り方について非常に勉強になった気がする(ワルオ)。

ダカフェ日記

ダカフェ日記

  • 作者: 森 友治
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2007/07/04
  • メディア: 単行本

 


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茂木健一郎「思考の補助線」 [読書]

脳科学者の茂木健一郎さんのベストセラーな新書本である。しかし、購入した人々はこれをしっかりと読み解いているのだろうか・・・
思考のダンスというような文学・音楽・科学までの話の展開っぷりは知的で面白いのだが、自分の教養の無さも痛感する難解っぷりである。

思考の補助線 (ちくま新書 707)

思考の補助線 (ちくま新書 707)

  • 作者: 茂木 健一郎
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 新書

 

ちょっと興味深いのが、何度も引用されているシェークスピアのテンペストである。 というわけで、これをきっかけに読んでみようと決意するのであった(ワルオ)。


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アーサー・C・クラーク「渇きの海」 [読書]

8月頃に読んだエスクァイヤ日本語版の特集「SF再読」の影響で、引き続きアーサー・C・クラークさんの作品を読んでる。というわけで、これも非常に有名な作品である。

22人の男女を乗せて、観光船セレーネ号は、月の渇きの海を疾駆していた。細かい塵におおわれた、風も波もない月の海原やそびえたつ岩山に、乗客はみな感 嘆の声をあげる。だが、その船を突然の地殻変動が襲う。一瞬のうちに船は、塵の海のなかに沈んでしまった!ふたり乗りダストスキー以外に近寄るすべのない 塵の海に沈んだ船を、いかにして援助するのか?息づまる救助活動を迫真の筆致で描いた、巨匠の長篇。

さて、本作はまだ人類が月に実際に到達されるよりも前に書かれたものである。観測状、月には海のように滑らかな部分が見えるが、ここは細かい砂(レゴリス)が積もっているという仮説があったようである。その仮説に基づいたストーリーは宇宙版海洋小説という独特なおもむきを与えており面白い(ワルオ)。

渇きの海 (ハヤカワ文庫 SF ハヤカワ名作セレクション)

渇きの海 (ハヤカワ文庫 SF ハヤカワ名作セレクション)

  • 作者: アーサー・C・クラーク
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/07/21
  • メディア: 文庫

 


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アイスバーグ・スリム「PIMP」 [読書]

約束の時間までちょっと時間がある。何となくペーパーバック的な本を喫茶店で読んで時間をつぶしたい。どちらかというと、少しダークな小説が読みたい。そんな時にたまたま新古書店があったので、手に取った本である。これが、かなりカルトな小説であった。

ストリートで今も語りつがれている伝説の作家がいる。その男の名は、アイスバーグ・スリム。1918年、ゲットーに生まれ落ちた彼は、虐げられた社会構造 に対抗するため、ピンプといわれるポン引きの世界で栄華を極めた。30年にわたりアメリカ裏社会に君臨したのち、作家に転身。これは彼が、勇気と波乱に満 ちたピンプとしての半生を描いた渾身の自伝小説である。人々を魅了した、驚くべきリズムとユーモア、そして真摯なメッセージ。アイスバーグの言葉を聞いた 若者たちは立ち上がり、彼の言葉をラップのリズムにのせ、新しい黒人文化を生み出すことになる。アメリカ、イギリスで旋風を巻き起こしたストリートのバイ ブル、ついに日本版登場。

PIMP=ポン引きである。しかし、ポン引きでイメージする姿と、本書に登場するPIMP・・・アイスバーグ・スリムはずいぶんと異なる。ちなみにアイスバーグ・スリムは「氷山(アイスバーグ)みたいに動じないヤツ」という意味のアダ名なのである。というわけで、娼婦を騙し、殴り、ドラッグを与え、働かせ、そのアガリを搾り取る様はかなり鬼畜・・・そして情け容赦ない(ワルオ)。 

ピンプ (BOOK PLUS)

ピンプ (BOOK PLUS)

  • 作者: アイスバーグ スリム
  • 出版社/メーカー: アーティストハウス
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本

 

 


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ジョン・ウッド「マイクロソフトでは出会えなかった天職〜僕はこうして社会起業家になった」 [読書]

どうして本書を選んだのかがまったく思い出せない。おそらく何かの書評で目をつけておいたのだろうが、今思うと不思議なチョイスである。しかし、なかなかどうして興味深い本であった。タイトルにはマイクロソフトとあるが、著者が社会起業家・・・NGOルーム・トゥ・リードを立ち上げる話である。というわけでもちろんITや技術などは出てこない。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

  • 作者: ジョン ウッド
  • 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
  • 発売日: 2007/09/21
  • メディア: ハードカバー

Amazon等に掲載されている出版社の紹介文が妙に長いので引用はしないのだが、本書はMicrosoftに勤めかなりの成功をおさめつつあった著者が、ネパール旅行の中でたまたま立ち寄った地元の学校の図書館にまともな本が無いことに衝撃を受け、途上国に本を既存したり学校を設立するなどの活動を行うNGOを立ち上げるという話である。

こう書くとありがちな話なのであるが、著者が他のNGOの設立者とちがったのは、発展期のマイクロソフトで叩き込まれたビジネス哲学をその活動にフル活用し、大成功をしていくという点である。というわけで、実際に本書の中でも「マイクロソフトで学んだことを適用する」場面が興味深くも面白い。ビル・ゲイツやスティーブ・バルマーの哲学を、著者は自分のNGOでも大活用しているということなのだ。

というわけで、ルーム・トゥ・リードのミッションは壮大である。Googleのビジョン並に壮大でカッコイイ。詳細はルーム・トゥ・リードのサイトをご覧いただきたいのだが、一部を引用しておこう(ワルオ)。

2010年までに1000万人の子どもたちに教育の場を提供する。
(中略)
私たちルーム・トゥ・リードは、アジア、アフリカ、南アメリカの開発途上国において、現地のNGOや村の人々などのコミュニティと協力して、学校や 図書館などの教育に必要な施設を建設しています。また、現地語や英語の図書を寄贈したり、少女が学校に通えるようにするための奨学金を提供するなど、さま ざまな方法で教育の機会を提供しています。
教育は、子どもたちにとって生涯の贈り物になります。

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森健一「MOTの達人―現場から技術経営を語る」 [読書]

Management of Technologyに関する本。とはいえ、MOTそのものについて語られているのではなく、2つのメジャープロジェクトを題材に、3人が対談形式でMOT的なものについて語るという趣向である。なんというか、NHKの「プロジェクトX」「プロフェッショナル仕事の流儀」を見ているような感じのやわらかい本。

取り上げられているのは、「東芝の日本語ワープロ開発プロジェクト」であったり「ソニーのCDプレーヤー~ディスクマンの開発プロジェクト」でありそれだけでも興味深い。MOTのみならず、技術とビジネスの扱いについてさまざまな知見を得ることができるような内容である。

ただし、全て対談中心の構成となっているのが若干辛かった。対談形式は嫌いではないのだが、もう少し各人が文章として論じても良いような印象を持っている(ワルオ)

MOTの達人―現場から技術経営を語る

MOTの達人―現場から技術経営を語る

  • 作者: 森 健一
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本

 


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大沢在昌「B・D・T 掟の街」 [読書]

新宿鮫シリーズなどで有名な大沢在昌さんのSFハードボイルド小説。SFといっても、移民政策に失敗し混血化が進んだ東京が舞台となっているだけで、大掛かりな仕掛けがあるわけではない。この舞台設定によって、日本の話であってもドラッグや銃がしっくりくる。表題のB・D・Tは「ボイルド・ダウン・タウン」の略であり、混血児が支配する関東東部を指す。

不法滞在外国人問題が深刻化する近未来東京。爆発的に急増した身寄りのない混血児たちは「ホープレス・チャイルド」と呼ばれ、その多くが犯罪者となってい た。彼らが巣食う東新宿はスラムと化し、いつしか、街は「B・D・T」と呼ばれた。無法地帯となった最も危険な街で、私立探偵ヨヨギ・ケンが依頼された仕 事は、失踪したホープレス出身の女性歌手の捜索—。女の足跡を追うケンを次々と襲うトラブル、そしてケンの目の前に、その巨大な組織が正体を現す!圧倒的 なスピード感で描く、傑作冒険アクション。

上記のアオリにある「圧倒的なスピード感」があるかどうかというと少し疑問があるが、それでもハリウッド映画のように大胆な展開があることは確かである。というわけで、なかなか良い作品だった。続編「影絵の騎士」も読んでみたい(ワルオ)

B・D・T 掟の街 (角川文庫)

B・D・T 掟の街 (角川文庫)

  • 作者: 大沢 在昌
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/09
  • メディア: 文庫

 


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スティーブン・ハンター「極大射程」 [読書]

文藝春秋の20世紀ベストミステリ17位。問答無用というところである。

ボブはヴェトナム戦争で87人の命を奪った伝説の名スナイパー。今はライフルだけを友に隠遁生活を送る彼のもとに、ある依頼が舞い込んだ。精密加工を施し た新開発の308口径弾を試射してもらいたいというのだ。弾薬への興味からボブはそれを引受け、1400ヤードという長距離狙撃を成功させた。だが、すべ ては謎の組織が周到に企て、ボブにある汚名を着せるための陰謀だった…。

一匹狼のスナイパーが主人公の本作品、解説などを見たところシリーズ物になっているみたいであるが、その第1作目に当たる。2006年には映画化もされているようで、こちらもちょっと気になるところ(Amazonの感想では比較的好評のようだ)。

とにかくストーリー展開は息もつかせない。イマドキで言えばドラマ 24-twenty four-を見ているようである。そして最後の見事なエンディングまで、とにかく素晴らしいの一言。読んで良かった!(ワルオ)。

極大射程〈上巻〉 (新潮文庫)

極大射程〈上巻〉 (新潮文庫)

  • 作者: スティーヴン ハンター
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1998/12
  • メディア: 文庫
極大射程〈下巻〉 (新潮文庫)

極大射程〈下巻〉 (新潮文庫)

  • 作者: スティーヴン ハンター
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1998/12
  • メディア: 文庫

 


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アーサー・C・クラーク「都市と星」 [読書]

20080324114202.jpg偶然にもほどがある。入手困難だと思っていた絶版本であるが、ふらっと寄ったブックオフで100円で購入することができたのである。というわけで、エスクァイヤ日本語版の特集「SF再読」でも取り上げられていたアーサー・C・クラークさんの長編SF小説。

銀河帝国は崩壊し、地球には唯一の都市ダイアスパーが残された。そこは快適に防備された小宇宙。十億年の歳月の間に、都市の「記憶バンク」は人間の組成のパターンを使って原初の人間を再生したが、ただ一人、青年アルヴィンだけは、今までにパターン化されたどの人間とも違っていた。都市の外へ出る事を異常に恐れる人々の中で、彼だけは未知の世界への願望を持っていたのだ。壁に囲まれた、心地よいダイアスパーに安住することなく、アルヴィンはある日、かつての人類のように、空があり宇宙船が往く世界を求めて旅立った! 巨匠が華麗な想像力で描いた大宇宙叙事詩。

先に結論を書いておくと、解説の堀晃さんの言葉通り、「名作中の名作」であった。本作は1937年から1946年までに執筆されたアーサー・C・クラークさんの処女長編「銀河帝国の崩壊」を、さらに10年後に大幅に全面改訂したものである。

他にも何点か、解説から引用する。

極端ないい方をすれば、「幼年期の終わり」が思想家クラークの傑作であり、「都市と星」はサイエンス・フィックション作家としてのクラークの最高傑作といえるのではないだろうか。
二十年の思索から産まれた「都市と星」が発表されて、すでに二十年以上が経過しているのだが、"砂漠の懐に抱かれた輝く宝石のような"都市ダイアスパーのように、この作品も依然、輝きを失っていないのである。

上記の解説は1977年のものである。さらに30年が経過しているわけであるが、それでもなお本作の輝きは失われていない。そんな作品であった(ワルオ)。

参考:
武蔵野日和下駄:『都市と星』 アーサー・C・クラーク著


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養老孟司、佐治晴夫 対談「わかることはかわること」 [読書]

システムデザインの使いやすさなどを取り扱うBlog、DESIGN IT! w/LOVEで興味をもった本書。二人の不良老人からたっぷりと、ためになるお言葉をいただくことができた。

大ベストセラー「バカの壁」でさまざまな波紋を投げかけた解剖学者と、137億年の宇宙から「人間とは」「いのちとは」を説く理論物理学者が憂い、また期待を込めて語る。言葉、音楽、日本語、感性、対極・陰陽、数学、情緒、美、日本、教育、環境、人間、男と女…。

表題でもある「わかることはかわること」というのは、本当に学んだということ(わかること)は、自身の行動や世界観の変換につながるものであるべきであるという養老先生の言葉からとられている。現代の教育の風潮が、このような真の学びを軽視する・・・「考えることをさせない」ものになっているという話の中での発言である。

対談形式で数時間で読めるような本であるが、二人の知の巨匠からは学べることも多い。私はいくつか本書を読んで「かわる」ことがあったような気がしている(ワルオ)。

「わかる」ことは「かわる」こと

「わかる」ことは「かわる」こと

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2004/12/11
  • メディア: 単行本

 


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